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中西忠博が作陶するのは、暮らしの中の器

2018/04/16

中西忠博が作陶する器

しずく窯を訪問

しずく窯 

飛騨高山の郊外にあるしずく窯で作陶する中西忠博。訪問すると手入れされた庭と工房、鶏が鳴き、温厚な犬が迎えてくれる。
工房にはギャラリーもあり、作品が美しくディスプレイされていた。
さっそく、轆轤(ろくろ)を廻してもらうと、カメラレンズ越しに見える胎土を成形する手さばきと、みるみるうちにカップになっていく変化に引き込まれた。

成形した生地

それでは、中西忠博について聞いていきたいと思います。

陶器の味わい

お茶の世界では、焼き物を鑑賞する時、炎によって釉薬(ゆうやく)や胎土(たいど:土器や陶磁器を製作する際にあたって原材料として使用された土)が変化することで生まれた表情を「景色」と呼び、味わいますが茶道に限らず、中西さんの器を手に取ると、暮らしの中で使う陶器の中にも「景色」があり、楽しく味わうことでよりよい日常に出会わせてくれる。

陶器 生地
生地の上に、偶発的に生まれた「美」を見出す感覚は、「均一」や「無傷」から見出される美とは対極にある日本的な美的感覚とも言えるが、彼の器にある独自の「質感」は狙いすました試行錯誤の産物であり、美的感覚の表出(ひょうしゅつ:精神内部の動きが外部にあらわれること)であるのだろう。


修行から現在に至るまで

高校生の頃、母親が焼き物を扱う店を始めたことが陶芸を志すきっかけになったという中西さん。

修行の場であった京都では花や魚の模様を象嵌(ぞうがん:工芸技法の一つ。)する技法の第一人者として知られる陶芸家:今井政之に師事(しじ:師として仕えること)。住み込みの弟子として腕を磨いた。
「5年ほど修行し帰郷した最初の頃は、師匠の影響もあり、薪窯で作品然(さくひんぜん:作品らしい)としたもの作っていました」と話す中西さん。
だがその後、様々な方向性を模索する中で、彼が「自分に合っている」と見出したのが、実用性のある暮らしの器を作ることでした。シンプルで他になく、凝りすぎず、味わいがあるもの。近年「こだわるカップ」をテーマに作陶をする中西さんが徹底的に求めたのが、選び抜いたフォルムであり、更に彼の器を大きく特徴づける「質感」です。一つの釉薬を何種類もの生地にかけて、色の出方を見る。濃淡、浸す秒、何種類ものテストピースを検証することで理想形を見つけていく。「均一」の対極にある美意識が反映された、独自の質感にたどり着いている。

進化するカタチ

パターンを探し、新しく取り掛かり始めたのが、線象嵌を使ったストライプの器です。一本一本の細い線を鉄筆で彫り込んだ後、化粧土で象嵌し、その上から施釉していく難解な工程は、かつて京都修行時代に今井政之の元で磨いた技術を応用したもの。
「カップ一つ一つにこんなことしていていいのか、とも思いますが(笑)。」と中西さん。様々な角度から眺めて変化のある、味わい深い姿の器が出来あがりました。さらに、新しい質感を目指して、薪窯での作陶に取り組んでいるという。

中西忠博

「ガス窯の方が、狙い通りになりやすいものですが、この釉薬は置く場所で全然違ったりするほどデリケートです。薪窯ならどう出るのか、面白いものになれば、と思っています。」

※出典:高山市 月刊ブレス12月号
 

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プロダクトデザインとアートデザイン

中西忠博の陶芸は、暮らしの中で使われることを想定したデザインです。

カップ 内側 釉薬 ヒビ模様

一時期は作品としての陶器を制作していたこともあり、アートとしての一面を残しながら、さらに用途に合った使いやすさを追求しています。持ち手のフィット感や飲み口の厚さや角度を試行錯誤し、倒れにくいようにカップの重心を低くし、質感は手触りが良く滑りにくいマットな仕上げになっており、高度なプロダクトデザインだと感じさせる。

そこへ、胎土と釉薬、薪窯の組み合わせによる色の出方や伝統的な陶芸の技術と技法のアートデザインが付加されて、まったく新しい境地にある陶器に仕上がっている。


カップ 上から


工業製品と陶芸作品

コーヒーカップとソーサー

100円ショップでもマグカップが買える昨今は、大体の身の回りの陶器は安く買えます。下手をすると、懸賞や応募プレゼント、記念品など無料で貰える機会も多々あり買う必要さえありません。しかも、無料だからといってすぐ壊れるわけでもない。
高い陶器が丈夫なわけでも無いし、機械的に量産されている工業製品にもオシャレなデザインが施されている。
もし、インテイリアショップで中西のカップと販売価格を見た時、少し割高だと感じるかもしれないが、それは制作過程と時間を知らないからであって、それでも商品の良さを見極められる人にとっては出会った瞬間に感じるものがあります。
どのように出来上がったかがわかった今は、販売価格にも納得だと思う。

もちろん、スーパーの割引価格で買ったインスタントコーヒーを飲むのには、100円のマグカップで十分ですが、厳選されたコーヒー豆を挽いて、丹念に抽出、ドリップしたコーヒーを100円マグカップで飲むのはあまりに味気ないとは思いませんか?
上質な物には、それに相応しい物を合わせるのが、より深く味わうための楽しみ方です。

シンプルかつ、精錬されたフォルム

ろくろを回す

使い勝手を追求していくと、シンプルに削ぎ落とされていきます。話は逸れますが、iPhoneは、極限まで使いやすさを追い求めてシンプルにした結果、何にも勝るデザインを獲得しました。関の刀鍛冶も切るためだけに追求した刃の美しい波紋は素晴らしいデザインです。
中西忠博のカップも陶芸作品からカタチを変え、暮らしの中の使いやすいフォルムを試行錯誤しており、より良い日常を演出してくれる食器になります。

古臭い茶器のような和室や床の間にしか合わない器ではなく、普遍的なシンプルデザインで、重厚な一枚板の上やガラステーブル・クラシックなカフェなど様々なシーンに馴染みます。中西忠博の陶器は、あなたが揃えたくなる一品になるでしょう。

工房ギャラリー

中西忠博のプロフィール

中西さんと犬

  • 1970年 岐阜県高山市生まれ
  • 1990年 日本芸術院会員 今井政之に師事(弟子入り)
  • 1996年 独立築窯 独立後、薪窯による陶器の制作を始める
  • 2001年 工房に穴窯を築く

広島 福屋八丁堀 美術画廊にて筍豊会展。
日本橋三越 新宿伊勢丹 松屋銀座 各地ギャラリーで個展、グループ展を開催。

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